OP25B 対策とは?
OP25B とは昨今増えている迷惑メールに対する対策のひとつで、主にプロバイダが導入しているものです。
WikiPedia.ja:Outbound Port 25 Blocking
固定 IP アドレスなどでサーバを運用している場合は影響を受けませんが、動的 IP アドレスで運用している場合、 OP25B に引っかかる事があります。
今回は Postfix での OP25B 対策について書いていきます。
プロバイダの SMTP サーバに接続して認証方式を調べる
まずは Submission Port ( 587 ) でプロバイダの SMTP サーバに接続して、どの認証方式に対応しているのか調べます。
# telnet プロバイダの SMTP サーバ 587
Trying ***.***.***.***...
Connected to mail.example.com.
Escape character is '^]'.
220 mail.example.com ESMTP
上記のような表示になった後、何も表示されなくなりますが、以下のように入力すればサーバとの通信が再開します。
EHLO example.com
mail.example.com Hello example.net [***.***.***.***], pleased to meet you
250-ENHANCEDSTATUSCODES
250-PIPELINING
250-8BITMIME
250-SIZE 10240000
250-DSN
250-AUTH LOGIN PLAIN ← ここがプロバイダのサポートしている認証方式
250-STARTTLS
250-DELIVERBY
250 HELP
この SMTP サーバがサポートしている認証方式は LOGIN, PLAIN ということになります。
最後に QUIT と入力すれば接続が終了します。
QUIT
221 2.0.0 mail.example.com closing connection
Connection closed by foreign host.
Postfix の設定
次に Postfix の設定ですが、今回は認証方式として LOGIN, PLAIN をターゲットとして進めます。
# vi /usr/local/etc/postfix/main.cf
relayhost = [プロバイダの SMTP サーバ]:587
smtp_sasl_auth_enable = yes
smtp_sasl_password_maps = hash:/usr/local/etc/postfix/isp_passwd
smtp_sasl_mechanism_filter = login, plain # プロバイダが提供している認証方式
smtp_sasl_security_options = noanonymous
プロバイダの SMTP サーバに接続するために、接続情報を記述したファイルを作成します。
# vi /usr/local/etc/postfix/isp_passwd
# [プロバイダの SMTP サーバ]:587 アカウント名:パスワード
上記で作成したファイルを postmap でデータベース化、権限を落として一般ユーザに見られないようにします。
# postmap /usr/local/etc/postfix/isp_passwd
# chmod 640 /usr/local/etc/postfix/isp_passwd
最後に Postfix を再起動して設定は完了です。
# /usr/local/etc/rc.d/postfix restart
メールの配信テスト
最後に正常に配信されるか、テストメールを配信してみましょう。
# echo test | mail メールアドレス
上記のメールアドレス宛に test とだけ記入されているメールが届けば完了です。